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FINISH! 必ず最後までやり切る人になる最強の方法 書評

本の情報

タイトル:FINISH! 必ず最後までやり切る人になる最強の方法

著者:ジョン・エイカフ、花塚 恵 (訳)

出版:ダイヤモンド社

他:単行本(ソフトカバー) 2019/2/28発売 304ページ

 

 

どんな本か一言まとめ

目標を達成するために、「完璧主義」とどう戦うかを斬新で痛快に教えてくれる本

 

おすすめする読者

  • 目標を途中であきらめることが多く、それを直したい人
  • 目標をもう少し楽に達成することに興味がある人

  

本のポイント

  • 人は「完璧が崩れた翌日」に挫折する
  • 目標を半分にする
  • 何をやらないかを決める
  • 目標を達成するために重要なデータの測定対象を決める

 

解説と感想

人は「完璧が崩れた翌日」に挫折する

まず、著者は目標をやりきらないための最大の敵は「完璧主義」だと言っている。そして、完璧が崩れた翌日に挫折すると著者はシンプルにまとめている。

 

これはまさに「あるある」ではないか。翌日だけではなく、決めた目標をできなかったり、さぼったりした「その日」だったり、「段々やる気が少なくなって」いつの間にか、頑張らない日が増えていく。私にはこういう経験が多い。みなさんもそういう経験がひとつやふたつあるのでは?

 

また、これに対する考えとして、完璧主義の反対は「やりきること」。つまり不完全ながらも前に進むことが大事で、またやり直せばいいだけの話だ。と著者はまとめている。

 

これは勇気をくれる内容だ。目標までやりきれない日があっても、さぼった日があってもいい。また明日頑張ろう。くらいの軽い気持ちでいいと励ましてくれているようだ。

 

 

目標を半分にする

完璧主義は、目標を特大サイズにしようとする。その対策として「目標を半分にする」か「時間を倍」にすることを著者は勧めている。そして、目標を半分にすることで、目標が達成しやすくなり、これからも頑張ろうと思えるとのことだ。そして半分の目標が達成できたら、目標が大きすぎたかどうかを振り返ることが大事だと述べている。

 

これは痛快だ。読んでいて斬新な発想に思わず笑ってしまった。本当に完璧主義は「悪いヤツ」で、無意識に目標を大きく設定している。私にも何度も経験がある。誰にでもすぐにできる目標の作り方だと思う。シンプルで素晴らしい。

 

 

何をやらないかを決める

やろうとすることが多すぎて、何かひとつでもうまくいかなかったときに、すべての目標をあきらめてしまう。だから何をやらないか、または手抜きするかを事前に決めることが大事だと著者は言っている。

 

これも完璧主義が悪さをしているのだろう。悲しいことに私はこれにも何度も経験がある。「半分にする」というのもそうだが、無意識に大きくなってしまう目標を、意識して減らしてあげるという発想はあるようでなかった考えだと感じる。

また、「仕事の目標を半分にする」というのは基本的には難しいのが普通だ。では、完璧主義につぶされずに仕事の目標を達成するためには、「やらないことを決める」ことは有効な方法だと思う。

 

目標を達成するために重要なデータの測定対象を決める

目標を達成するために重要なデータの測定対象を1~3つ決めること。ただし30個にならないよう完璧主義に気を付けること。そして、データを測定することで、新たな目標を設定するときに過去のデータが参考となったり、現在の目標に対する進捗の度合いが分かり、目標や行動に修正が必要かが分かると著者は言っている。なお、完璧主義は感覚を好むがデータを嫌うとのことだ。

 

目標を達成するために、データの測定対象を決めるというのは、当たり前といえば当たり前だし、意外と出来ていなかったり、それを知らない人も多いような印象がある。当然、そこまでするのが単純に面倒だということもあるだろう。面倒そうだが、やってみたほうが実は楽だったという、意外性がありそうな手法なのかもしれない。

また、これも「仕事の目標を半分にする」ために有効な方法だと思う。

 

まとめ

この本の最大のテーマで、最大の敵である「完璧主義」の表現が斬新で面白い内容だ。みなさんの中にも思い当たる「完璧主義」がきっとたくさんあるだろう。そして、こんなに手軽な方法と考え方で「完璧主義」を撃退できるのかというのが痛快で楽しい内容だ。目標を達成させる心構えは、そんなにまじめに、重く考えなくていいんだよ、と励ましてくれる本でもある。みなさんに少しでも興味がわいていただけたなら幸いだ。