書評 FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
本の情報
タイトル:FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
著者:ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、 他
出版:日経BP社
他:単行本 日経BP社発売 400ページ
どんな本か一言まとめ
本能による悪い思い込みとその対策に加え、私たちがいかに世界を知らないかを教えてくれる本
おすすめする読者
- 社会人
- 小学生高学年以上の学生
- 高齢者
本のポイント
- 世界を誤って認識する原因
解説と感想
世界を誤って認識する原因
ほとんどの人が世界を誤って認識している。
本書より13個のクイズを取り上げる。あなたはどれだけ世界を理解できているだろうか。なお、正解率はほとんどの国が、あてずっぽうの33%より低い結果になっている。(クイズ⑬は例外)
①現在、低所得国に暮らす女子が初等教育を修了する割合は?
A 20% B 40% C 60%
②世界で最も多くの人が住んでいるのは?
A 低所得国 B 中所得国 C高所得国
③世界で極度の貧困にある人の割合は、20年でどう変わったか?
A 約2倍 B ほぼ変化なし C 半分
④世界の平均寿命はおよそ何歳か?
A 50歳 B 60歳 C 70歳
⑤15歳未満の子供は現在世界に20億人いる。2100年には約何人になるか?
A 40憶人 B 30億人 C 20億人
⑥2100年には人口は今より40億人増える予測だが、人口が最も増える年齢層は?
A 子供(~15歳) B 大人(15~74歳) C 後期高齢者(75歳~)
⑦自然災害で毎年亡くなる人数は、この100年でどう変化したか?
A 2倍以上 B ほぼ変化なし C 半分以下
⑧現在世界には約70憶人の人がいるが、正しい人口分布はどれか
A アジア 40億 ヨーロッパ10憶 アフリカ10億 アメリカ南北10憶
B アジア 30億 ヨーロッパ10憶 アフリカ20億 アメリカ南北10憶
C アジア 30億 ヨーロッパ10憶 アフリカ10億 アメリカ南北20憶
⑨世界の1歳児が、何らかの病気に対する予防接種をどのくらい受けているか?
A 20% B 50% C 80%
⑩世界の30歳男性は、平均10年の学校教育を受けている。30歳は女性はどうか?
A 9年 B 6年 C 3年
⑪1996年にトラ、ジャイアントパンダ、クロサイが絶滅危惧種となったが、当時よりも絶滅の危機に瀕している動物の数は?
A 2 B 1 C 0
⑫世界でいくらかでも電気が使える人は?
A 20% B 50% C 80%
⑬これから100年で地球の平均気温はどうなると考えられているか?
A 暖かくなる B 変わらない C 寒くなる
答え*1
なぜ誤って認識してしまうか、本書から以下の通り要約して紹介する。なお、関連するクイズも参考に記す。
分断本能:世界は分断されているという重み込み(クイズ①②)
ネガティブ本能:世界はどんどん悪くなっているという思い込み(クイズ③④)
直線本能:世界の人口はひたすら増え続けるという思い込み(クイズ⑤⑥)
恐怖本能:危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み(クイズ⑦)
過大視本能:目の前の数字がいちばん重要だという思い込み(クイズ⑧)
パターン化本能:ひとつの例がすべてに当てはまるという思い込み(クイズ⑩)
宿命本能:すべてはあらかじめ決まっているという思い込み(クイズ⑩)
単純化本能:世界はひとつの切り口で理解できるという思い込み(クイズ⑪)
犯人捜し本能:誰かを責めれば物事は解決するという思い込み(クイズ⑫)
焦り本能:今すぐ手を打たないと大変なことになるという思い込み(クイズ⑬)
まとめ
自分が世界についていかに知らないか驚かされる。また、最後の章では「教育」「ビジネス」「ジャーナリスト」等の区切りで、正しく世界を認識し、どう行動すべきかを著者は教えてくれている。世界を誤って認識してしまう理由を紹介したが、実際の世界はどうなっていて、私たちはどのように対策すればよいかはぜひ本書を読んでほしい。これからの世界の見方が変わるはずだ。
*1:①C ②B ③C ④C ⑤C ⑥B ⑦C ⑧A ⑨C ⑩A ⑪C ⑫C ⑬A