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死ぬこと以外かすり傷 書評

本の情報

タイトル:死ぬこと以外かすり傷
著者:箕輪 厚介
出版:マガジンハウス

他:単行本(ソフトカバー) 2018/8/28発売 173ページ

 

どんな本か一言まとめ

 自分の好きなものに、情熱を持ち、ひたすら入れ込み、熱狂し、偏愛で動け。それを圧倒的なアツさと強い言葉で読み手の心を打ちぬいてくる本。

 

おすすめする読者

  • 人生、日本、会社、仕事、学校、勉強が「ツマラナイ」と少しでも感じている全ての人

  

本のポイント

  • こっちの世界に来て、革命を起こそう
  • 何か一つでトップになれ、今やれ、スピードと量、数字から逃げるな

 

解説と感想

こっちの世界に来て、革命を起こそう

これは「はじめに」の冒頭の扉で表現している内容だ。

 

今、若者はチャンスだ。

これまでのルールとシステムが通用しなくなっている。

古い世代にはわけのわからない変化が今まさに起こり始めている。

ワクワクする未来の迫っている。この波に乗ろう。

自分たちの手で、世界の輪郭に触れ、自由で新しい秩序を作り直そう。

おっさんの言うことはすべて聞かなくていい。

その代わり、誰よりも動け。

語る前に手を動かせ。語りながらでもいいから手を動かせ。

能書きじゃなく数字はプロジェクトで示せ。

何をやりたいか、何をやっているか、明確に答えられる人間であれ。

狂え、生半可な人間が何も成し遂げられないのは、いつの時代も変わらない。

絶望を感じながら、それでも信じて走り抜け。

守るより、攻めろ。その方がきっと楽しい。

こっちの世界に来て、革命を起こそう。

 

 

この内容がこの本の全てを表していると思う。この扉で引き込まれ、この後の「はじめに」で私は心臓を鷲掴みにされたような気持ちになった。圧倒的なアツさのエネルギー。

会社も、仕事も、自分も、可能性も、閉塞感も、日本の今も未来も、「こんなものだろ、仕方ない」という考えは自分のすべて言い訳であって、自分が本当の意味で頑張っていないだけだと猛烈に言われたようだった。

「著者だからできたんでしょ?」「そんなことわかってる。でも難しい」と思うだろう。悔しいが私もそう思う部分はある。失礼だと思うが、世の中の95%くらいの人は、きっとここまで「やっていない」。やったほうがいいと思ったりわかったりしていも、「やっていない」。この差がものすごい高くて厚い壁なんだろうと思う。

そう、つまり「死ぬこと以外かすり傷」なのだから「いいからやれ」と、それに尽きることを著者は伝えたいのだと思う。

  

何か一つでトップになれ、今やれ、スピードと量、数字から逃げるな

「はじめに」の扉で「やりたいこと」に「狂え」とあった。その「狂え」とは、このテーマである通り、

  • 何か一つでトップになれ
  • 今やれ(”やりたい”じゃなく、”やります”)
  • スピードと量(本書では”スピードスピードスピード!”、”量量量!”と記している)
  • 数字から逃げるな(好きなことをやるは重要。それに加えて金を稼げと記している)

 

とてつもなく正論で残酷な言葉だと思う。私は読んでいて恐ろしさすら感じ、身震いした。ここまで頑張らないといけないのかと。そして、こんなにも仕事に、人生に私は打ち込んでいないのかと虚しさも同時に感じた。だが、これほどまでに打ち込んでやりこむことで見えてくる世界があるから、「こっちの世界に来い」と著者は言うことができるのだろう。

 

 

まとめ

本書では著者のとんでもないエピソードにあふれているが、それを真似するのではなく、真似できないからダメだということでもなく、自分のできることを「今からやる」が一番重要なのだと思う。そして同時に「こんなもんでいいや」をやめること。この本は、「こういう風にやればいい」という小手先のテクニックではなく、「熱量や覚悟」に火をつけ、大きく燃やしてくれる本だと思う。